映画『Spiderman: Far From Home』の台詞で英語学習

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『Spiderman: Far From Home』を観てきました。

映画らしいニヤッとする表現や、実生活で使える表現がありました。

ところで、Homecomingと今作のシリーズは、数あるスパイダーマン作品のなかでも一番のお気に入りです。
何故なら、いつものスパイダーマン作品にある暗さが全くない

格好良いアクションと、コメディなパートで構成されていて。
「大いなる力には、大いなる責任が伴う」という、いつものお説教フレーズも登場しません。
クラスメイトや親友のネッドとピーターのやり取りは、いつも笑えるものばかり。

とにかく暗い影がない終始明るくてしかも格好良いシリーズなんです。

1.ストーリー(ネタバレなし)


アイアンマンことトニーが死亡し、その後継として指名を受けたピーター。
しかしピーターは、そのことを重荷に感じます。

そんなとき、異世界を滅ぼした怪人Elementsが地球に現れ、ピーターに出動要請が。
ピーターは、要請の電話を無視してヨーロッパ行きの修学旅行に参加することに。
エッフェル塔でMJに告白して恋仲になるという、一世一代の計画を成功させることが最大の目的です(笑

しかし、運命のいたずらか、Elementsとこれを追って並行世界の地球からやってきたスーパーヒーロー『ミステリオ』が、イタリアに現れます。

Elementsとの闘い。
トニーから受け継いだシステム『』をめぐる争い。
MJとの関係。スパイダーマンの正体。
イタリアの歴史ある街並みを舞台にしたアクション。

見どころ満載の作品でした!

3.英語表現

In memorial.
哀悼の意を捧ぐ。
(アイアンマンことトニーについて)

Little brother is older than me.
今じゃ弟の方が年上だ。

現実世界では聞くことのないだろう台詞です(笑
中学でも習う、基本的な比較級の文法ですね。

Thank you guys for having me.
お招きありがとう。
(何かの会に市民から招かれたスパイダーマンの台詞)

同じく学校で習う表現。
学校で習った表現だってふつうに実生活で使うことができるという良い例ですね。勇気づけられます。

Probably call someone else than me.
重要な件に僕を呼ぶはずがない。
(ピーターが、アヴェンジャーズからの出動要請の連絡をスルーするときのセリフ)

“awesome”に関する台詞

Awesomeというのは日常会話でよく使う表現ですが、今作においても頻出しています。

Awesome!
すげぇ!

典型的な使い方ですね。

Awesome.
サイコー。

こちらも典型的な使い方。

Because he’s awesome.
だって最高だろ。(スパイダーマンについて)

Wow, that’s awesome.
ほんとスゴイ(うんざりしながら)。

こちらは、あえて逆の意味で使っている例でした。

一口にAwesomeと言っても、程度の大小があったり、皮肉ってぽく使ったりと表情豊かな表現なんですね。

その他の台詞

Like a grandmother.
ババくさ。

直訳すると「お婆ちゃんみたい」。
どこの国でも、感性は似たり寄ったりということなのでしょう。

I could take really well.
うまく誤魔化せたな。

He deserves it.
当然よね。

deserveを使った表現としては、他にも、
“You deserve it.”「受け入れなさい」
などがあります。
「当然でしょ?」「あんたが悪いんでしょ」「甘んじて受け入れなさいよ」って感じでしょうか。

Let me help. I’m really strong and sticky.
手伝います。粘り強いです。
(ミステリオに協力を申し出るピーターの台詞)

肉体的な強さはもちろん、諦めない心の強さもあるということでしょうか。
さらりとこういう台詞が出るあたり、一作目で成長したって感じですよね。

Peter-jingle
ピータームズムズ
(スパイダーセンスのこと)

jingleは、ジングルベルのジングルです。つまり、鐘がチリンとなること。
危険を知らせる警鐘ということで、この表現を使っているのでしょう。
それにしても、ピータームズムズとは妙訳ですね!

Come on, Peter-jingle.
頼む、ピータームズムズ。

man in the chair
イスの人
(アヴェンジャーズのヒーロー専属のオペレーター?)

「イスに座っている人」の意ですが、どうして”on the char”ではなくいのでしょうか。

実は、”on the cahir”と”in the chair” のどちらも実際に存在する表現です。
どちらを使っても良い。
ただし、その意味合いは異なります。

[1]”on the chair”の場合
onは、本来「物体との接触」を意味します。
“on the ahair”は「椅子の上にチョコンと座っている」状態を表します、

[2]”in the chair”の場合
inは、一方で、「他の物体の中にある」「他の物体に四方を囲まれている」状態を意味します。
“in the chair”は「椅子という物体に囲まれるようにして座っている状態」を表します。
つまり「背もたれや肘置きがあって、あたかも取り囲まれているかのような状態」です。

一方で、背もたれや肘置きが無い椅子だと、”on the chair”という表現になります。

同様のことが、ソファーでも言えます。
ぐいっと沈むこむような高級ソファーに座る場合。
このときは、体が沈み込んで、ソファーに囲まれますよね。
この場合は“in the sofar”となります。

This is it.
ここだ。

他にも、「それだ!」「ビンゴ!」とか訳されることのある表現ですね。

I’m obvious.
バレバレよ。

obvious:(物事が)明らかな、見え透いた
と辞書にはあります。
つまり、”I am” の後ろに続くような語ではない筈なのですが……。
最新の言い回しでしょうか。

Eilian has to be.
きっとエイリアンだ。

have toを推定「~に違いない」の意味で用いています。
本来、have toに推定の意味はないのですが……。
ひょっとしたら「have toは、mustと同じように推定の意味でも使える」という、ほんとうは誤った認識が、市民権を獲得しつつあるのかもしれません。

日本語でもありますよね。
ほんとうは誤用なのに、あまりに沢山の人が使うものだから、新しい用法として認められたというパターン。
爆笑(大勢の人が笑う様)や、適当(「適切」と同意)など。

Where exactly are we?
ここはどこかな。

“Where are we?”の強意表現。
こういうexactlyの使い方があるんですね。

What a coinsidence!
なんて偶然!

Here’s what I have now.
今ある情報だ。

見事な意訳ですね。

Swarmed out my family.
家族を奪った!

swarm outにこういう表現は無いはずなのですが……。
聞き間違いでしょうか。
情報がありましたら、教えてください。

His blood is on your hand!
もしピーターを殺すことになったら、お前のせいだからな!

面白表現ですね!
比喩を用いて、短くスパッと表現する手法。
簡潔で勢いがあって、英語って格好良いなって思う瞬間です。

Without your stupid video, Spiderman couldn’t find you.
そのバカげた動画のおかげで、スパイダーマンに見つけてもらえたんたぞ。

ピーターに対するミステリオの台詞

Poor kid.
可哀そうに。

などと“kid”という言葉を最初に聞いたとき、ニヤニヤしてしまいました。
だって「“kid”呼ばわりされる子供が、最後は大人として認められて、呼ばれ方も変わる」ってのが様式美ですから、

See you kid.
(戦いを辞したピーターに向かって)

I like you Peter, good kid.
いいヤツだ。

You are good person, but have such a wickness…
いい奴だが、優しすぎる。

案の定、“kid”“person”に変わっていましたね。

3.翻訳家は誰?


面白い英語表現もさることながら、字幕版の和訳も楽しむことができました。

原意を大切に、簡潔にまとめた和訳。
違和感のない、大胆な意訳。
「なるほどなぁ」と感心することしきりでした。

さて、そんな訳者さんはいったいどなた?
と思ってクレジットを見ていると、ありました。

林完治さん

という方らしいです。

『マトリックス』や『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、そしてもちろん『スパイダーマン:ホームカミング』の和訳を手掛けたらしいです。

そんな林さんが、某専門学校でされた講演の一部より。

皆さんの翻訳がお客さんに感動を与える手助けになれるかもしれません。もちろん映像翻訳者は黒子です。ひとりよがりの訳で前にしゃしゃり出てはいけません。作品の醍醐味を余すところなく伝えるのが私たちの仕事です。異文化間の橋渡しですからときにはある程度の言い換えも必要でしょう。ですが作品に対して翻訳者の力量が劣っていては話になりません。そうならないためには皆さんの人間としての総合力をアップすることが大切です。毎日毎日が勉強の積み重ねです。翻訳はあなたの人生が丸ごと反映されるのですから。でも毎日ちょっとソファやベッドの上で寝転がってダラダラするくらいなら平気ですよ。そんなとき不謹慎にも「この仕事しててよかった」なんて思ってしまいます。それはまさに至福の時です。

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