Full Metal Jacketのスピーチで英語学習

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今回は、有名映画”Full Metal Jacket”の名物キャラ、ハートマン軍曹のスピーチで英語・文化の学習をします。

元ネタを知らない人でも知っている名言を放ったハートマンのスピーチですが、なんと、差別大国アメリカの文化的背景をうかがうことができます。

ハートマン軍曹って?

無茶苦茶口が悪い、新平の教官キャラ。

「気に入った。ウチに来て妹をファックしていいぞ」
「口からクソを垂れる前と後ろにサーを付けろ!」
「まるでそびえたつクソだ」
「逃げないヤツは、よく訓練されたベトコンだ」

などの名言を知っている人も多いでしょう。
元ネタはこの人です。

どんな場面のスピーチ?

ベトナム戦争時の新兵を訓練するときの台詞です。
前者2つは、最初に新兵に上下関係を叩き込むときの台詞。
後者は、新兵が訓練課程を卒業するときのスピーチです。
これもまた、マンガや戦争小説なんかでパロディにされることが多いスピーチですね。

1.スピーチ原稿と英語表現

[01:18]
Bullshit!
From now on you’re Private Snowball!
Do you like that name?

<直訳>
今からオマエは雪玉(スノーボール)二等兵だ。
気に入ったか?

<意訳(映画の字幕より)>
本日より白雪丸(スノーボール)と呼ぶ
いい名前だろ?

<解説>
黒人に対してまっしろな「雪玉」を
仇名として与える。
皮肉ですよね。

<英語表現>
bullshit:戯言、でたらめ。「ふざるな」、「うそだろ」、「でたらめだ」、「からかってんのか」、「なめてんのか」
from now on:今から

[01:23]
Well, there’s one thing that you won’t like, Private Snowball!
They don’t serve fried chicken and watermelon on a daily basis in my mess hall!

<直訳>
さて、雪玉(スノーボール)二等兵。オマエにとってイヤな話がある。
俺の食堂では、フライドチキンとスイカは毎日は出でてこん。

<意訳(映画の字幕より)>
聞いて驚くな スノーボール
うちの食堂では黒んぼ定食は出さん!

<英語表現>
serve:~を出す(飲み物を出す器械はサーバー。球技で最初に球を繰り出すことをサーヴという)
fried chikin and watermelon:「黒んぼ定食」との和訳があてられている。詳細は後述。
on a daily basis:毎日のように、日常的に
mess hall:(軍隊の駐屯地などにある)食堂

[03:35]
Bullshit!
It looks to me like the best part of you ran down the crack of your mama’s ass and ended up as a brown stain on the mattress!
I think you’ve been cheated!
Where in hell are you from anyway, Private?

<直訳>
オマエの最もマシな部分は、ママの尻の裂け目を流れ落ちて、マットレスの茶色い染みになったようだな。
騙されたんじゃあないのか。
オマエはいったいどこからやって来たんだ、一等兵?

<意訳(映画の字幕より)>
パパの精液がシーツのシミになり ママの割れ目に残ったカスが お前だ!
どこの穴で育った?

<解説あるいは考察>
“the best part of you”とは”パパの精子”のベストな部分、ということでしょうか。
“you’ve been cheated”とは”オマエは騙されてた”という意味ですが、何を意図しての言葉か分かりかねます。難しい。

<英語表現>
It looks (to me) ~:(私の眼には)~のように見える、(私には)~のように思われる
cracks:割れ目、ひび割れ
in the hell:一体全体(on the earthと和訳は同じだが、こちらの方は粗野な表現)

Today, you people are no longer maggots.
Today, you are Marines.
You’re part of a brotherhood.
From now on, until the day you die, wherever you are, every Marine is your brother.
Most of you will go to Vietnam.
Some of you will not come back.
But always remember this: Marines die.
That’s what we’re here for.
But the Marine Corps lives forever and that means you live forever.

<直訳>
今や、オマエ等はもはや蛆虫ではない。
今や、オマエ等は海兵隊だ。
オマエ等は兄弟の一部だ
今からオマエ等が死ぬ日まで、どこに居ようとも、全ての海兵隊はオマエの兄弟だ。
オマエ等の大部分はベトナムへ行く。
オマエ等のうち何人かは帰ってこない。
しかし、いつもこれを覚えておけ。海兵隊は死ぬ。
その為に、我々はここに居る。
しかし、海兵隊は永遠に生き続ける。それは、オマエ等も永遠に生き続けるとうことを意味する。

<意訳(映画の字幕より)>
本日をもって貴様らはウジ虫を卒業する
本日から貴様らは海兵隊員である。
兄弟の絆に結ばれる。貴様らのくたばるその日まで。
どこにいようと海兵隊員は貴様らの兄弟だ。
多くはベトナムへ向かう。ある者は二度と戻らない。
だが肝に銘じておけ。
海兵は死ぬ。
死ぬために我々は存在する。
だが海兵は永遠である。つまり―――貴様らも永遠である!

<英語表現>
no longer:もはや~ではない
maggot:蛆虫、(蛆虫のような)汚らしいヤツ、蛆虫野郎
brotherhood:兄弟の間柄・兄弟愛、協会・組合
That’s what S V for:その為にSがVする、それがSがVする理由だ
Marine (Cops):海兵隊

2.背景

「黒んぼ定食」について

フライドチキンスイカ「黒人の定番食」みたいな扱いですね。
なぜでしょうか。

黒人はスイカが好きという偏見

スイカについては、「アメリカ合衆国の黒人はスイカに対して尋常ならざる食欲を示す」という人種差別的ステレオタイプがあるからです。
こんなポストカードが発売されていたというのだから、昔のアメリカは(今も)人種差別大国だったのですね……。

Wikiにはこうあります。

多くの映画が黒人たちを制御不能といってよいほどスイカに食欲を示す存在として描いた。例えば「スイカ競争」(1896年)などには、黒人が汁と種を口から次々に吐き出し素早く果物を食べるシーンがある。作家のノヴォトニー・ローレンスは、こうした場面には食欲を黒人男性の性欲になぞらえる文脈があると指摘している。つまり「黒人は、この果物を愛し求めるのと同じくちで、セックスを求めるのだ…。

Wiki参照

なんと、映画『風と共に去りぬ』の台本には、奴隷の黒人男性ががスイカを食べる場面があったそうです(役者はこれを拒否)。
こうしたステレオタイプは、2000年代でも見られたそうですから、カビのように根強くタチが悪いですね。

アメリカのフライドチキンは黒人が発明?

フライドチキンについては、「南部の黒人奴隷(アフリカ系アメリカ人)が、フライドチキンという調理法をアメリカに持ち込んだ」という説に由来するそうです。
当時、白人の主人が鶏を料理するとき、あまり肉の付いていない羽などは残していた。それを南部の黒人はフライにして食べていたのだとか。

こうした短い台詞からも、アメリカの人種差別大国っぷりが垣間見えて、闇深いながらも面白いですね。

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