
ネイティヴと会話をしていて、困ることはたくさんあると思います。
例えば、
「自分が知っている単語のはずなのに、何と言っているのか分からない」
とかよくありませんか。
その原因のひとつは、アクセントによる単語内の強弱です。
ネイティヴは、アクセントのある箇所以外は実にイイカゲンに発音する人がごまんといます。
この学校では教えてくれない発音の法則について、今回は取り扱います。
1.丁寧に発音するのはアクセントだけで良い?
というのも、アクセントのある箇所をしっかり発音していれば、それだけで単語が十分理解できるからです。
×英単語は、すべての箇所を綺麗に発音しなければならない
○英単語は、アクセントだけしっかり発音して、他は楽をする
こうした方が、「それっぽい」英語になるんです。
2.イイカゲンな発音の実例
イイカゲンに発音するとは、つまり、
曖昧母音/ə/の発音をする
(※「ア」とも「オ」ともつかない中途半端な発音)
ということです。
例を挙げてみましょう。
thermometer
(/θɚmάməṭɚ/ 温度計。サーモメータ)
アクセント以外、すべてのeが/ə/になっていますね。
focus(/fóʊkəs/ 焦点。焦点を当てる)
uも/ə/で発音します。
biography(/bɑɪάgrəfi/ 伝記)
aだって/ə/で発音します。
このように、aだろうがuだろうがeだろうがoだろうが、アクセント以外はとにかく曖昧母音/ə/の発音になります。
非常に多くの単語で、この現象が起こるんです。
3.まとめ
ネイティヴの人は、次のような発音で通じ合っています。
・アクセントはしっかり発音する
・それ以外の箇所はイイカゲンな、曖昧母音/ə/の発音になる
この事実から導かれるのは、
「多くの場合、アクセント以外は曖昧な発音/ə/になる」
「この規則を、本来適用すべきでない場面にも過剰に適用するネイティヴもいる」
ということです。
4.でも大切なのは、カッコつけることでなく「伝わる」こと
でも、ネイティヴの英語って、ぶっちゃけ分かりづらいことありません?
日本でも、地域によっては理解不能な訛ってありますよね。
英語でもそうです。
イギリスの発音と、アメリカの発音はおおきく異なります。
イギリスやアメリカの中でも、聞き取りやすい訛もあれば、聞き取りにくい訛もあります。
ネイティヴの英語 = 聞き取りやすい英語 だとは限りません。
実際、スコットランド訛りのネイティヴスピーカーが主役を張る映画が、アメリカでは字幕付きで放映されるそうですし。
大切なのは、「相手に伝わる」こと、「相手の言ってることが理解できる」ことです。
なにもカッコつけて、それっぽい発音をする必要はありません。
無理にアクセント以外を、なんでもかんでも曖昧母音で発音しなくても良い。
ただ、「そういう発音する人もいるな」と知っていれば、得をしますよね。